礼拝のあとの和菓子

 1週間前の日曜日、京都市左京区下鴨の葵教会の永眠者追憶記念礼拝に出席した。祖父母・父に加えて今年 母も納めた納骨堂での礼拝。5月の納骨式のときのように責任ある立場ではないので気が楽だったけれど、とはいえ賛美歌を歌うとき涙が出た。

 そのあと京菓子の老舗「宝泉」に行った。一昨年 神学部の同僚と話したとき、教会のことが話題だったのに 近くのこの和菓子屋のことを情感深く喋ってらっしゃったことが 印象に残っている。まえに職員だった方と話したときも、同じように宝泉が しかもそのわらび餅のことが語られた。前々から気になっていたお店である。

宝泉の入り口

 幼いときから何度もこの教会に来たたことがあるのに、そこから徒歩10分のこの和菓子の老舗のことは、存在すら知らなかった。自分の本籍が左京区なのに(住んだことはない)。今回、母からの「よう来てくれた。ちょっと京都で楽しんでいき!」という声も聞こえたので(←勝手な推測?)、教会員の方に案内していただいて行ってみたのである^^。お店は、旅行のガイドブックを手にした二人連れなどであふれていた。

 名物 わらび餅を食べた。「国産の本わらび粉」から作ってらっしゃるという。しかも、注文してから作られるとのこと。新鮮なものを食べてもらいたいとのことで、持ち帰りはしていない。

ピチピチしたわらび餅
伝統の製法

 たしかにピチピチで、弾力性がスゴイ! なかなか嚙み切れない。そこが本物なのだろう。洗練されつつも素朴さの残ったおいしさ!ただ、ぼくが小さいときからなじんできたわらび餅とは どこか違う。「わらび餅粉」を煮て、冷水に落として、という仕方で 母に作らされたこともあった。これまでのは いったい何だったのか? う~ん、眼前のオリジナルに自分の味覚を合わさないといけないのだろう。思想史の原典を読むときのようだ^^;;

 他方、考えさせられることなく瞬時に「すごい! 美味しい!」と思わせたのが、この冷やしぜんざい だった。

冷やしぜんざい――この小豆を見よ!

 この小豆はなんだっ!粒が大きくてふっくらしていて「小」豆と言ってはならないほど豊かで、包容力のある味を惜しみなくくれる。食感も立派だ。すっかり魅了された。

 宝泉(宝泉堂)のサイトを見たら「最高級・最高品質の丹波大納言小豆」を使っているとのこと。他にも、戦後まもなくこのお店ができたことも分かった。葵教会ができたのも同じ頃だから、けっこう教会に行ったあとで立ち寄った人たちも多かったんじゃないかと思えて、初めてなのに親しみがわいてきた^^。