進化経済学会大会で福井市に
毎年3月に開催される進化経済学会の大会に、出席してきた。今回は福井県立大学である。
2年前には 思いがけなく学会賞(第6回)受賞が伝えられて、受賞講演をした。次の23年3月には学会報告をするつもりが、ハンブルク出発の直前の忙しさで、出席すらできず。今回やっとそれを果たせた。また、グラーツ大学名誉教授のハインツ・クルツさんと、京都大学名誉教授の八木紀一郎さんとの英語セッションも企画して、その司会をした。
ぼくの報告のテーマは「社会政策学会の自主解散の背後でのシュモラーをめぐる論争」である。ブログ(昨年11月23日の記事)で紹介したドイツ語論文の日本語ヴァージョン。
セッションの方は、クルツさんに 昨年夏エディンバラで催されたドイツ社会政策学会経済学史委員会での報告(昨年の7月2日のブログ記事)を英語にして話していただき、対応するカウンターパートとして八木さんに報告していただいた。オーガナイズは金沢大の瀬尾崇さんが手伝ってくださった。
クルツさんのテーマは「文明化をめぐるスミス、マルクス、シュンペーター ――進化についての彼らのアプローチを比較して」、八木さんは「日本の経済・経済学におけるスミス、マルクス、シュンぺーター ――歴史的な概観」。
つまり、進化経済学の観点から経済学史上の3人の巨人を比較する、クルツ・八木の夢の共演!ぼくの発案に応じてくださった両氏と瀬尾さんには感謝している。出席者が多くなかったのがちょっと残念。
おふたりのパワーポイントの1ページめのタイトルは、それぞれこうなっている。
今回、北陸新幹線が敦賀まで延伸される時期に移動した。
行きの3月15日は在来線の特急「しらさぎ」「サンダーバード」が福井駅を通る最後の日で、沢山の人たちが写真を撮っていた。帰路では、福井駅から、延伸間もない北陸新幹線に乗ってみた。
さらに記しておくなら、大会で今年度受賞(第8回)の藤田菜々子さんがよく準備された立派な受賞者講演をされたこと、福井県立歴史博物館での「昭和」時代の生活の展示が懐かしかったこと、永平寺には行けなかったけれど 訪れた人からヴィヴィッドな話を聞けて面白かったこと、以上かな。